(セフレ設定/メイ←クオ)

どうすればいいかわからなかったんだ。 だってオレはただのクソガキで、随分歳の離れたあいつはもう大人で。 まともにやりあったって相手になんかされるわけないって、ちゃんと知ってたんだ。 だからってこんなやり方、正しいとも思えない。 だけど、わからなかったんだ。 もう、どうしていいかわからなかった。 わからなかったんだ。 ただ、好きなだけだったんだよ。

「ん、・・・メイト、きもちいいか?」
太い幹に舌を這わせて先端を抉る。 同時に、睾丸をぐにぐにと揉む。 ベッドに腰掛けたメイトを見上げると苦しげに眉を寄せていた。 骨ばった手がオレの頭を撫でる。 前髪を掻き上げられて額に熱い指が触れた。
「は、・・・ミクオ、もう」
熱く腫れあがった性器が苦しげに脈打った。 唾液で滑る掌で扱きながらぐちゅぐちゅと口の中で吸い上げる。 額をなぞっていた指先が後頭部へと移動してオレの後頭部を抑え込んだ。 そのまま腰を動かし、激しく前後運動を行う。 メイトのスライドに合わせてオレも頭を動かした。

低く呻いてメイトはオレの口の中に精を吐きだした。 メイトの性器がどくん、と脈打つ度に先端から白濁が迸る。 口内でどろりとした精液を舌先に絡ませ喉奥へ送る。 見上げたメイトは複雑な表情で目を細めた。
「そんなもん、よく飲めるなお前」
「ハハ、」
口の周りを手の甲で拭い、とびきりビッチな笑顔を向ける。 舌舐めずりをしながら応えて返すとメイトは思い切り顔をしかめた。
「あー、なんて言うかセーシが好きってゆーか…」
メイトはゆるゆると頭を振るとオレの肩を押し返した。
「あっそ。…俺もう帰るから、サンキューな」
素早くズボンを穿くとメイトはジャケットを手に取った。 そのまま鍵をチャラチャラと鳴らしながら背を向ける。 待てよ、と声を掛けようとして、しかしこの口から漏れたのは自分でも意図しない言葉。
「あ、また来いよ、な?いつでもヌいてやるからさ」
メイトは振り向くこともなく無言のまま部屋を出ていく。 バタンと閉ざされた扉がオレたちの間を引き裂く。

気だるさの残る体を引きずるように起こして、キッチンへと向かう。 蛇口を捻ってザァザァとシンクを水音で満たした。 水の流れに頭を突っ込むと冷たい水が額から首へと流れていく。 妙に頭が冴えて、そう言えば、初めてメイトに迫った時もあいつはあんな顔してったけなぁ、と思いだした。 体で繋ぎとめる、なんて、そんなの。
「安い女みたいだよなー…」
呟いた言葉は水に流れて排水溝に消えていった。 だけど。

「は…メイ、ト…っ」
ここにはメイトの温もりが残っている。 本物のメイトの温もりが。 それだけで、いいんだ。 間違ってたってなんだって、メイトに触れられるならいいんだ。

ずり落とした下着から自分の性器を取り出し、メイトの肌を撫でた掌でそっとソレを握り込む。 すぐに熱い昂ぶりが下半身に集まり、痛いぐらいに張りつめる。
「あ、あ…メイト」
頭の中で幾度も幾度も口にするのもおぞましい妄想を繰り広げる。 さっきの口淫ですでに興奮していた性器はすぐに限界を迎える。 掌に放った精はメイトのものと同じように熱かった。

初めて体を繋げたあの瞬間から始まっていたんだろう。 誰も幸せになりえない遊びの始まり。 あるいは、陳腐なトラジディーの始まり。 それでも、結末が見えてる退屈なゲームでも走り続けるしかないんだ。 だってすべてはあの日、始まってしまったんだから。 たとえ、それが間違ったやり方だったとしても、もう賽は投げられたんだから。 デッドエンドに辿り着くまで、きっともう、止まることなんてできない。 引き返すことなんてできない。

シンクを流れる水は溢れかえることなくひたすらに排水溝の闇へと消える。 崩壊の音を聞いた気がした。 でも、それって、いったい何が崩れる音だったのかな。 離れた側からもうメイトに会いたくて仕方がなかった。